ばきちゃん

砂の器のばきちゃんのレビュー・感想・評価

砂の器(1974年製作の映画)
3.9
何度か見たが、何度見ても感動する。
原作が社会派と言われる松本清張の名作。
筋書きはわかっていても、面白くみることができる。ハンセン氏病への偏見差別で、故郷を追われ放浪する親子。たどり着いたのが、亀嵩。東北弁と思いきや、出雲地方のズーズー弁(これも死語か)と判明、中央線の窓から撒かれる白い紙吹雪(のようなもの)。いずれも誰もが?知ってる名シーンだ。若い所轄の刑事役で森田健作、執念の本庁刑事に丹波哲郎、新進作曲家に加藤剛、かつての駐在さんに緒形拳。名優揃いと言いたいけど、森田健作(元千葉県知事としての方が有名かな)って、私の中では大根役者なので、彼だけすこーし不満な配役。時代背景も何もかも違うので、昔懐かしい日本の農村風景が垣間見えるのも興味深いし、親子がさすらう冬の日本海の荒涼たる景色が胸に迫る。殺人犯ではあるものの、彼の「宿命」に息が詰まるような気持ちを味わえる。
ばきちゃん

ばきちゃん