みずけん

ワン・プラス・ワンのみずけんのレビュー・感想・評価

ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)
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ローリング・ストーンズのレコーディング風景をゴダールが撮った、という事で気になって。

どうしてもビートルズのゲット・バック・セッションと比較してしまう。
ビートルズは学校もろくに通ってないチンピラなのに対し、ストーンズは大学とか行っちゃってるお坊ちゃまなので、やはり行儀がいいと言うか落ち着いたセッションだった。ブラックミュージック的な本能的なノリで音楽を作っているような印象だったけど、意外と論理的に組み立てながら創作を行っていたのが印象的。

ビートルズと違いミックとキースというリーダー格2人がバンドを完全にコントロールしており、ジョージ・ハリスンが自分のアイデアを積極的に共有したり、リンゴが特に指示されなくても気の利いたドラミングをしたり、みたいな協力プレイが見られなかったのも違いかな。

ただ、ゴダールのヌーヴェル・ヴァーグ的なよく分からん映像はノイズでしかなかった。「今は茶番劇にしか見えないけど当時はこれが斬新だったんだろうな」的映画表現は完全に賞味期限切れ。しかもセッション映像と同じ、もしくはそれ以上の量の尺をとっており、ピーナッツアレルギーの人が柿の種を食べたいのに柿ピーを買ってしまったような絶望を味わった。
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