9.11で父親を亡くしたアスペルガー症候群の少年オスカーが遺品の鍵の謎を解くために世界と関わる旅にでる。
謎に必ず答えが用意されているとは限らないし、旅の果てに目的地に辿りつけるかどうかなんて現実では本当は誰も教えてくれない。
苦労した先に真っ暗な絶望が待ち構えているかもしれない恐怖。中盤、その絶望に向き合って取り乱し叫びだす少年がそのままま撮られていて、辛くて不快だった、でもリアルで愛おしかった。
自分が歩いた道と、その過程で出会ったたくさんの人たちと、ものすごくうるさくて、ありえないほど近い家族の愛、少年は絶望を乗り越えて希望を見つけたし、私にもそれが確かに見えた。どれだけ家族や人の関係性が多様化しても、こういう映画はずっと変わらずにあって欲しいって思う。
