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マトリックスの教授のレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
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世代的にはどストライクだが、当時レンタルビデオで観たはず。劇場では観ていない。
記憶は定かではないが、90年代後半から、クェンティン・タランティーノが出てきて、北野武がヴェネチアで金獅子を取り…「トレイン・スポッティング」なんかも出てきたり、岩井俊二、ウォン・カーウァイなどインディ映画のトレンドが続いていた時代の潮流の中で、いわゆる「メジャー大作」から、こんな作品が生まれてくるんだ、という感慨があった。

実際、10年ぐらいのスパンで、メジャー大作の表現のフォーマットが刷新される傾向みたいなのがあって、例えば「スターウォーズ」だったり「ブレードランナー」だったり「ターミネーター2」だったりする系譜に本作はいたりする。
実際観直してみると、本作に類似した、あるいは踏襲されパターン化された表現方法が現在も当たり前のように量産されている。
そのパイオニア的な価値というのが本作の一番の優れているところだと思う。

そして重要なのは、それがテクノロジー一辺倒とものではなく、大フィーチャーされる「カンフー」やそれに伴うワイヤーアクションとの組み合わせることで(当時としては)誰も観たことがない映像表現たり得ている。

それ反面、当時で最先端は今の時代になると当たり前過ぎて、ちょっとダサく見えてしまうということもある。
スタイリッシュな映像ルックも相俟って、20年以上も前の作品なのに、あまり古びた印象もないので余計にストーリーがバカっぽく見えるというのはあるかもしれない。

当時から思っていたこととして。
「仮想世界」で戦うシーン、というのが本作の醍醐味な分、並行して現実世界で戦う「宇宙船バトル」のようなものは、さすがに既視感しかないわけで、あまり盛り上がらない。
謎解きや、暗号めいた会話に対して帰結していく事実があまり衝撃的ではない点や、割と序盤はヘナヘナだったネオが、モーフィアス救出に行く際には急にドヤ顔を決めて豹変するという点も。
人物の感情の流れ、というよりはアクション的ケレンを優先したつくり。

それでも色々と興味深かった。
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