らんらん

ジャコ萬と鉄のらんらんのレビュー・感想・評価

ジャコ萬と鉄(1964年製作の映画)
3.5
東宝で監督谷口千吉、主演三船敏郎で1949に公開された映画を東映で監督深作欣二、主演高倉健でリメイク

東宝版に続けて鑑賞、調べてみたらリメイクがあったので興味が出てこの機会についでに見ておこうかと
なので、どうしても比較的な論調で感想していこうかと

リメイクであるこっちのほうが知名度あって評価も高いみたいですね
監督が深作欣二だから?主演が高倉健だから?んー何でかよくわからない、普通はオリジナルのほうが評価されやすいし、主演にしたってあの三船敏郎だよ、格的にも負けてないでしょ

まずどっちのが良かったかについては、個人的にはオリジナルの東宝版のが好き!
見た順番が逆だったら違ったのかなぁ?脚本が全く同じなので基本的には忠実なリメイクです、ただオリジナル要素も多少あってそれが特にプラスになってないと思う

あらすじはほぼ同じだけど全体の印象としては結構違う
東宝版は自然に微笑ましく笑えるシーンが多い、東映版はいたって真面目な印象
主演を比べると三船敏郎はイメージ通り豪快で男!って感じ、高倉健はそれに比べるといかにも若者、なよなよしく軽く見える
あの踊りのシーンでも終始大真面目な三船に比べ、高倉健のはおちゃらけて見える
それでも作品全体の印象では東宝版は明、東映版は暗なイメージなんですよね

あとは東映でのリメイクってことで、月形龍之介と進藤英太郎、まだご存命の時だからそのままの役での出演も出来たはず、とか思った
丹波哲郎は特に悪くはない、こっちのが冷酷奸智な気はするし違った魅力はある、でも月形龍之介のほうが良かったなー
山形勲は終始苦虫を噛み潰したような顔をしている、上手いことは上手い、いつもの悪役と違ってこんなに役者って感じで演技している姿はあまり見られないのでその点の収穫はある、進藤英太郎と比べるとおとぼけ感が足りないかなぁ、それが作品全体の明暗のイメージにも影響してるかも

その他の出演者についてもオリジナルのほうに軍配をあげたい、唯一こっちのほうが良いと思うのは母親役の浦辺粂子ぐらいか
土曜日に出かける口実の少女関連は一番改変されてるかな
北海道の白い教会で眺めるだけ、名前も知らない言葉も交わさない、そんなピュアな三船敏郎が良かった
こっちでは少女よりもむしろその父親と切り株を切るシーンのが多いという、、、入江若葉かぁー宮本武蔵でブレイクしていた?頃ですかね、久我美子に比べると印象薄すぎると思う

あとは公開が1964年ってことでこの頃にはかつて100万トンあった漁獲高が、数万トンまでに落ち込んでいた時代ですよね
しかし特に匂わすこともなくそのままの展開、それを考えるとその後の盛者必衰的なオリジナル要素入れてあったほうがまだ感慨はあったかなー
らんらん

らんらん