skm818

隠し砦の三悪人のskm818のレビュー・感想・評価

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)
3.9
戦に敗れた秋月の姫を同盟国の早川領に逃がすため、秋月の埋蔵金ともに国境を越えようとする主従と、金に目が眩んで巻き込まれる百姓二人の物語。修復版のせいか、白黒ってこんなに美しいのかと思うくらい映像が美しい。三船敏郎の存在感がすごい。冒頭しばらくは百姓二人のターンなんだが、そこに彼が現れたときの存在感たるや。まだ遠くにいるのにオーラがすごい。百姓二人が欲をかいて考えなしの行動をするせいで次々窮地が押し寄せるが、それを運と膂力と人物で切り抜けていく。ライバルの田所兵衛もいいねえ。犠牲にならずに一緒に逃げてくるところがいい。この映画、見えるところで犠牲になる人がいないんですよ。途中で助けた女の子もちゃんと連れて脱出するし。もちろん時間稼ぎに身代わりになった六郎太の妹だの砦で見送ってた人たちはいるわけだけど。馬で併走しながらの戦闘シーンも凄かったし、火祭りの場面など見どころだらけ。あの石だらけの山だとか人の多さだとかセットだとか、どこをとっても映画に元気があった頃の贅沢さを感じる。
skm818

skm818