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悪は存在しないのskm818のレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.8
人口6000人の静かな町にグランピング施設建設の話が持ち上がり、説明会が開かれることに…というと住民運動の話かと思ってしまうが、そうではない。冒頭の梢を下からずっと映す映像や薪割りや水汲みの描写が長くやや冗長な感じがするが、そういう丁寧さがここでは重要なのだろう。悪は存在しないってタイトルだが、悪は明確に存在する。グランピング計画を強引に進めようとするコンサル、あれ悪じゃないとこ1ミリもないよな。絶対悪もいいとこ。説明会にやってきた芸能会社の社員たちは無知故の無神経なところはあるが、個人としては悪いやつではないのだろう。逆に主人公の男は善かっていうと、最後の行動意味わからん。娘と鹿が見つめあっていたのは幻想でいいのだろうか。彼はのほほんと生きてるように見えたけど、ほんとのところはただ娘だけが大切だったのかもしれない。帰ると言ったからってあの距離をこどもひとりで帰しちゃう小学校の先生にびっくりするが、いつもやってることなのだろうし、田舎はそういう感じなのかもしれない。
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