skm818

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のskm818のレビュー・感想・評価

3.8
1850年代のイタリア・ボローニャ、子沢山のユダヤ人一家から幼い息子エドガルドがカトリック教会に連れ去られる。教会側の言い分は、エドガルドは赤ん坊の頃洗礼を受けているとのこと。実際当時モルターラ家で働いていた女性が病気のエドガルドに「善意で」勝手に洗礼を施し、数年後に報奨金目当てでそのことを教会に申し出ていたことがあとからわかる。エドガルドの家族は洗礼の無効を申し立てるが聞き入れられない。エドガルドのほうも教会の施設でカトリックの教育を受けて暮らすうちにカトリックの考え方を身につけたキリスト教徒になってしまう。どうもこういう子はエドガルドだけではなかったようで、当時の教皇ピウス9世も知っていたこと。むしろ指示してやらせていたのではと思う。ピウス9世はユダヤ人に憎まれ、亡くなったあと棺を運ぶ馬車が襲われたりもしている。ちょっとこの辺はイタリア史の予習してたほうがよかったかも。エドガルドは母親の危篤に実家に駆けつけるが、そこで瀕死の母親に洗礼を施そうとして拒まれてしまう。幼い子供を親から引き離して洗脳することの罪深さ。エドガルドは悪くないんだよな。でも教会の幹部たちは全く反省していない。
skm818

skm818