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ショーシャンクの空にのfujisanのレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
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何度見ても涙腺崩壊

先日、リバイバル上映を観てきました。まさかまたスクリーンで観られると思っていませんでした。ありがとうございます。

最初に観たのはいつだったかも忘れてしまいましたが、人生の節目で何度も観ている映画。いつかちゃんとレビューしようと思っていましたが、思い出が沢山詰まりすぎて、レビューしてなかった映画です。

記憶ってあいまいなもので、強烈に記憶に残っているシーンもあれば、忘れているところもたくさんあって。

でも、割と冷静にチケットを買って席に座り、すごいなー満員やん、と思いつつコーヒーのカップなどセットしてたら暗くなり、さてさて始まるぞと楽な姿勢で座り直した冒頭。

映画は主人公アンディの車内のシーンから始まり、カーステレオからオープニング曲が流れたところで、急にすべてを思い出して、その時点で意味なくちょっと泣いてしまいました(バカですね・・)

なんですかね、今や古典とも言える作品で、オールタイムベストに挙げる方も多い名作中の名作。なので、今回はレビューと言うよりも、私的な感想だけ書きたいと思います。



今回観て感じたのは、年齢なりに違うものが見えてくるんだな、ということ。

以前は、虐げられたアンディがいかにして刑務所を出るのかという脱出ムービーと感動的なラストシーンに魅了され、どちらかというとドラマチックなカタルシスが得られる感動映画という印象でした。

でも今回一番響いたのは、刑務所内で図書係をしていたブルックスとモーガン・フリーマン演じるレッドが、仮釈放後に社会に馴染めないシーンでした。

レッドが語る『最初は憎んでいた刑務所の塀だが、しだいに慣れ、長い月日の間に塀に守られているように感じてくる』という趣旨のセリフ。

ささいな私事ですが、今年、入院を経験し、退院する時のことを思い出したんですよね。

もちろん刑務所と入院は全く違う環境ですが、生活が制約され、定められたルールを元に集団生活をするという意味では似ているのかなと思います。

外出はできず、食事も決まった時間に少量で、消灯時間も決まっている規則正しい生活。当然体調も万全ではなく、決して居心地の良い環境ではないわけですが、担当医や看護の方、病院職員の方と生活するうちに、不思議な連帯感というか、仲間意識みたいなものが芽生えてきます。

そして退院する時には、復調したという嬉しさとともに、なんだかちょっとみんなと離れるのが寂しいような、不思議な感覚に囚われました。

数週間でもこれなので、数十年だとむしろ刑務所の中こそが人生なわけで、ブルックスが取った行動も心から理解できましたし、レッドが大きな樹の下でアンディの手紙を見つけたときの嬉しさも心に響きました。

これはラジオで聴いた誰かの感想ですが、サラリーマンで派閥争いに負け地方の閑職に左遷されたと。しばらくは後悔や悔しさ、いつか戻るという希望を持っていたものの、『片道切符だから諦めたほうが良い』と言われたそうです。

そして確かに希望を持てば持つほど絶望も深くなる。その方はこの映画がきっかけで勇気をもらい、その後転職して今は違う世界で生き生きと仕事をされているそうです。


今回、この話なんかを思い出し、名作というのはこうやって色々な人の中に残り続け、時には人生を変える力を持つものなのだなと改めて思いました。

以上、・・・私的な感想になってしまいましたが、また将来、この作品との新たな出会いに期待して、以上とします。




2023年 Mark!した映画:308本
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