このレビューはネタバレを含みます
一番好きな映画は何か?
そう問われた時に、
胸を張って伝えたい作品。
無実の罪で ショーシャンク刑務所に収監される事になった アンディ・デュフレーン。
レッドの語りで淡々と描かれていくのだが、気付けばショーシャンクの世界の中に意識が没頭してる。不思議なまでに、アンディの精神に寄り添っている感覚。
終身刑という 刑罰の中で、刑務所内で行われる非人道的な行いや、不正、暴力に絶望し葛藤しながらも 知恵を振り絞って困難を打開していくアンディの素晴らしさ。
そして 少しずつ深まっていくレッドをはじめとする囚人達との友情。絆。
皆で屋上でビールを飲むシーンは、
何度観ても アンディの微笑む顔が見たくて、大好きなシーンである。毎回 あのシーンを見る度、自分の悩みや胸のつかえがじんわり溶けるような感覚を覚える。
長い刑務所生活の中、アンディの無実が晴らされるチャンスがやってくる!そう思った矢先、証人である囚人仲間が理不尽な形で最後を迎えてしまう。
観ている側は、何度 胸を締め付けられ、
所長と ハドレーを憎む事だろう…。
悔しくて苦しくて、希望が見出せなくなり絶望し、囚人仲間達もアンディの忍耐にも限界があると心配した矢先…
アンディは只者ではない。
やってのけた。希望を証明してくれた。
悠然と銀行を歩く、紳士。
なんて清々しい気持ちなんだろう。
そしてこの映画の良いところは、
清々しいくらいに、悪は成敗される。
『裁きは下る いずれ まもなく』
聖書に隠された秘密、
ポスターに秘められた希望、
そして何度、
ポスターの向こう側を覗き込む、
所長とハドレーのアホ面、
レッドの表情に笑った事だろう。
そして迎える…ラストシーン。
あの晴れ晴れとした気持ちと感動は、何度観ても 色褪せない。
観るたびに 改めて増すくらい。
毎回 初見のように、綺麗な太平洋に心から感動し、恋い焦がれ、二人の未来を想像し、どんな会話を交わしているのかを思い浮かべ、心を揺さぶられる。
今まで 何度 観たことだろう。
辛い時、苦しい時、悲しい時、一生涯、この頑固でへそまがりな臆病者に寄り添ってくれる大切な作品となりました。出逢えてよかった。
演じる側の苦労の背景を知り、悪役(バドレーや所長)まで大好きになれてしまう、それくらいに熱量のある作品。悩むバドレーにかけた所長の言葉が胸に残る。
愛し抜いた作品。これからも一生。