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フィッシャー・キングのnicoのレビュー・感想・評価

フィッシャー・キング(1991年製作の映画)
3.0
ロビンウィリアムズ出演作との事で視聴。今作でもそうだが、一癖ある役を演じさせたら彼の右に出る者はいないと今回も感じた。ロビンの演技はどうしてこんなに人を惹き付けるのか。泥臭い人柄を演じると本当にハマり役。ロビン自身の人柄が現れているのか?とにもかくにも今作も彼の演技を存分に堪能させて頂きました。

ストーリーに関しては真新しい要素はなく、The王道かなと。

序盤で元DJだったジャックの彼女がこんな台詞を言います。

「私が考えるにこの世で男と女が結婚するって事は神と悪魔が一緒に仲良く暮らすって事よ」

この台詞がこの映画の主旨かなと。

罪悪感に苛まれるジャックの葛藤と、ラストまで何も知らずに彼を慕うホームレスのペリー。

例の事件以降、ジャックの心の中では常に神と悪が熾烈な闘いを繰り広げている葛藤が、最初から最後まで一貫して見られます。

ジャックは自分の罪悪感を拭いたいだけのエゴの為に、ペリーにお金を渡したり恋のキューピットをしたり。自分では一見良い事をした気分にはなったものの、やはり潜在的に何も腑に落ちていない。自分は偽善者でどうしようもないクズだと悟っていく。支えてくれた彼女も捨て煌びやかな世界に戻っていく。

がしかしどうやっても罪悪感からは逃れられず、聖杯を盗みペリーに渡し、ストーリー的には非常に綺麗に終わる。

視聴している側としては最初から予測が付く展開で脚本自体は正直、退屈に感じてしまう。

ファンタジー要素が所々に盛り込まれており、人間ドラマというよりもファンタジー映画として見た方が良いのかな?とも感じた。

脚本的には特筆したものは何もないと感じたが、やはり主演2人と脇を固める俳優陣らの演技が素晴らしかったので、作品としての評価が底上げされる。

ロビンウィリアムズとジェフブリッジスのタッグは最高の組み合わせだったのでは?

ラスト、公園の夜空の下で2人が素っ裸で寝ているシーン。ようやく2人が心の底から何の罪悪感もわだかまりもなく打ち解けた瞬間なんだと見れて、そこは良いシーンだと思った。
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