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LUCY/ルーシーのnicoのレビュー・感想・評価

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)
2.9
2014年公開とのこと。当時ならばSFであったろうが、2023年現在はタイムリーなテーマ。フィクションではなく、ほぼノンフィクション。近い未来を描いている。現に2023年のいま、脳とコンピューターを繋ぐインターフェイスを首の静脈に挿入する事により、『考えるだけ』でコンピューターの操作を可能にする臨床試験が進められている。SFとして見ずに"人間の可能性"として視聴していた。「人間の脳は10%しか機能していない」これは生物学的でもあるが、皮肉そのものでもある。「楽な尺度で物事を考え無限の深淵を忘れるため」との台詞がこの映画の全て。全てが表層的であり数字が踊っているだけの、この現社会を皮肉っている。

SF映画に見えて人間の本質を問う作品。スカヨハが覚醒していく様は、人類誕生の歴史・人間の進化の過程を重ねているだけ。情報が混乱を呼ぶのではなく、無知が混乱を呼ぶとの劇中の会話。正に本テーマ。"思考しない"限り、人間は進化しない、退化し絶滅するとのメッセージすら受け取れる。

視聴した時期がタイムリーであったのが良かったか?非常に興味深くリアルに見れた。1+1=2ではない。それは単なる概念。それらを真に受けて思考停止した先に待つのは人類の退化であるのは間違いないだろう。
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