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地獄の黙示録・特別完全版のryotamukaiのネタバレレビュー・内容・結末

地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

印象的なシーンがいくつかあったが、ラストシーンは特に面白かった。

このシーンで、ウィラード大尉(マーティン•シーン)がカーツ大佐(マーロン•ブランド)を鎌で打ち割る。この場面は、祭りで水牛の首が刎ね飛ぶシーンと平行している。ウィラードがカーツを殺す、水牛の首が飛ぶ、この過程が交互に現れる。

この演出は、洗礼式と暗殺が同時進行する『ゴットファーザー』(監督•コッポラ)のラストと同じだ。
『ゴットファーザー』の場合は、洗礼式という神聖な場によって、マイケルの暗部が一層強く示された。
『地獄の黙示録』では水牛を殺す過程で見られる首の断面の生々しさによって、カーツのむごい死に様が想像されると同時に、ウィラードの容赦無さが際立たせられている。
背中の皮膚とその内側の肉が離れていく、その断面は肉と骨がさっくり切断され、首はゆっくり落ちていく、人間は斧を力強く振り下ろすがそれでも水牛は倒れない、立ったままだ。執拗に水牛を叩き続ける人間の様子は、カーツを殺害するウィラードの姿と重なって見えてくる。

コッポラの映画だ、と思わせる演出だった。
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