すずき

バンデットQのすずきのレビュー・感想・評価

バンデットQ(1981年製作の映画)
2.6
主人公の少年ケビンの寝室のクローゼットから現れたのは、6人の小人。
何でも彼らは、創造主の下で働いていたが嫌気が差し、「地図」を盗んで逃げ出したのだと言う。
その地図とは、時間空間を飛び越えるワームホールが記された地図。
小人達はこれを使って、世界のお宝を盗み出そうという魂胆だった。
ケビンも何だかんだでそれについて行くハメに。
一方その頃、とある時代、とある場所の「魔王」は、小人たちが地図を手に入れた事を知り、自らの復活と神の打倒のため、地図を手に入れようとする…

テリー・ギリアム監督のファンタジー映画。
今回私が見たのはオリジナル版。
エンディングがオリジナル版と日本公開版で全然違うらしく、この映画について語り合う前に、それを確認しとかないと話し食い違いそう。

しかし、自分には合わなかった!
テリー・ギリアムらしいブラックなネタや風刺があるんだけど、基本は子供向け冒険ファンタジーって感じで、それがチグハグな印象。
コメディ部分も少しパンチが弱めで、多分戸田奈津子の字幕で分かり難い所為もあるかも。(昨今のなっちは翻訳の質が多少良くなってるそうですよ)

ストーリー展開は、「ビルとテッドの大冒険」「シャークネード6」のような時間旅行モノで、ナポレオンやロビン・フッドと会ったりする。
でも、こーゆーストーリー構成、新しい場所に行ったら何かイベントやアクシデントがあって、解決したら次の場所へ(以下繰り返し)…という、何か昔のRPGやってる気分であんまり好きな構成じゃないんだよなー。

あとテーマの伝えんとする事はわかるけど、同様のテーマでは後に公開された「ラビリンス 魔王の迷宮」や「パンズ・ラビリンス」、「エンジェルウォーズ」とかの方が好き。
ギャグだとしても笑えない衝撃的なラストも、テーマを伝えるには必要なんだろうけど、何と言うか、もうちょっと他に無かったんか、と言いたい消化不良感。

良かった所は、衣装一つ取っても情報量が多くてゴチャゴチャしてる、テリー・ギリアムの十八番のビジュアルセンス!
特に魔王配下の面々が素敵で、「未来世紀ブラジル」「12モンキーズ」の未来世界を彷彿とさせる。
魔王の圧倒的な強さと変幻自在な攻撃も良かった。