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祇園囃子のmajiziのレビュー・感想・評価

祇園囃子(1953年製作の映画)
3.5
芸妓として生きていく女性の悲哀。

元も子もないことを言えば、一番肝心なおっさんの転がし方、あしらい方はちゃんと教えないのかしらん?と、思いました。

いくら腹黒京都祇園と言えども、おぼこい田舎娘を躾けるのは基本。

女将もお姉さんも迷惑被る範囲なんだから、お三味線や踊り、お華に通わすのも大事だけど、ややこしいお客なんてザラだろうに。

まあ教わっても簡単に出来るものでもないし、それを言うと物語が成り立たないんだろうけど…。

失敗した妹分を助けるために自分の身を削るお姉さん。2人支え合って、これからもいじらしく生きていく。

祇園界隈、水商売にありがちな、それこそ掃いて捨てるほどあるような話をこんなに美しく撮るのは、良くも悪くも男性的。

誰かの失敗は、違う芸妓にとってのチャンス。いくら不粋な客でも、出入り禁止にならず太いままならそれはそれ。

この作品で説得力があったのは、浪花千栄子の役だけでしょう。
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