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スキャナーズのcocacorgiのレビュー・感想・評価

スキャナーズ(1981年製作の映画)
4.0
この能力って簡単に言えば他者と繋がることなワケで。本来なら人と人を結ぶギフトのはずが、人の持つ様々な思いが彼ら彼女らのコミュニケーションに不和を生じさせる。
そこに付随してしまう苦悩は誰もが持ちうるとても普遍的なものだと感じて親近感。
スキャンするってきっと相手の1番イノセントな部分に触れることで、それはセックスよりも余程繊細なことで、だからこそ少しの力加減で簡単に相手を傷つけてしまう。
そう思って見ると、スキャナーたちのやり取りで魂ってワードが持ち出されことにスッと得心が行くところで。
このイノセントなものってつまりは魂であって、これは相手の魂に触れる行いなんじゃないかと。
互いがスキャンを使えば魂は一体化すると言っていたけど、自己の魂でさえ他者の一部になりえるってまるでどこかの思想そのもの。
あと胎児にスキャンされるシーンもめちゃくちゃ良い。そうゆうのとかレボックとの関係性やらで人の業とか罪の因果が描かれてるのも、全てが繋がってる。
クローネンバーグさんが哲学している。(でもそもそも意味不明だと思ってる他の作品も監督なりの哲学なのか)めちゃくちゃグッと引き込まれた。すごい好きだ。
他者の魂に踏み込みすぎた結果、他者とゆう存在そのものになってしまうラストの展開もすごく納得がいって、たぶん全部勝手な思い込みかも知れないけど、でもすっごい楽しい見方ができた!
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