ロシアの巨匠、アンドレイ・タルコフスキーの作品。以前観た「ストーカー」と同様に、静謐で哲学的な雰囲気でした。基本的には自然の音(特に水)や質感を大切にしていて、あまり劇伴に頼らないイメージでしたが、本作ではところどころ音響効果を使っていたように感じました。
良くも悪くも説明しないというか、必要最低限の描写でまとめるスタイルなので、正直いって、今回はよく分からない部分も多かったです。個人的には、「ストーカー」のほうがテーマがつかみやすかったですし、単純に面白く感じました。ただ、「睡眠は全ての人に平等」とか、「同情心は時として有害である」とか、「愛は感じることは出来ても説明することはできない」とか…そういったセリフ一つ一つについては、納得するものが多くて、監督の思考回路は好きだな…とは思いました。笑
また、最初は狂人だと思っていた人物が、最終的には最も理知的で常識人だったという驚きも、惑星の異常さを際立たせるいいスパイスになっていました。
監督がホラー作品とか作ったらものすごく怖くなりそうだなと思いますが、おそらくないですよね?ところどころに不気味な雰囲気が出ていました。
わかりやすい見どころというか、すごいところは、ハリー役の方の演技の上手さですね。圧倒されました。
テーマが合えば好きになれると思うので、監督の他の作品をもっと観たいなと思いました。
ところで、記憶が正しければ、「ストーカー」にも日本の高速道路のシーンがあった気がするのですが…監督は相当好きなんですね!笑 外国人から見たら面白いんでしょうか?少し嬉しくはなりますね、日本人としては。笑