ホームシック映画。
さすがになげえなと思いましたが、面白かった。
SF設定を借りた内省映画。主人公が過去を見つめ自身の内部に潜っていく。『インターステラー』や『メッセージ』なんかもそういう類だと思う。
色んな映画を想起しつつ実は一番近いなと思ったのは『クローバーフィールド・パラドックス』(2018)でした。あの突然Netflixで配信されて酷評の嵐が起こったでお馴染みの笑 でも私は好きなんですよね。
確かあれもエリザベス・デビッキが気づいたら突然宇宙ステーションの中に出現してるみたいな感じで、ソラリスからの影響があったのかなと思ったり。
さすがに『2001年宇宙の旅』よりは後の映画だよな?と調べると、さすがにそうでした。宇宙空間で、人間っぽいけど人間ではない何かがいて、敵なのか味方なのか、みたいな感じはHAL9000とか『エイリアン』シリーズのアンドロイドとかみたいな。
しかしむしろ『シャイニング』を思い出した。ステーションに着いてからが特に。人里離れ隔絶された地に死者がウヨウヨしてて生者は気が狂いそうになっている。ロバート・ワイズ『たたり』みたいだとも思った。SFだけど古典ホラーの形式でもある。『エイリアン』もそうだったり。結局、物語の源流は同じで起こる場所や時代とかの設定を変えてるだけだからだろうな。
この不気味さは『イメージズ』とかのロバート・アルトマン作品とか、『ザ・ブルード/怒りのメタファー』とかのデヴィッド・クローネンバーグ作品にも似てるなと思って見てた。ちょこっとだけ見せてすぐカットするテンポ感でドキッとさせる感じとかね。内藤瑛亮監督の短編「続きをしよう」のアレとかも同じ手法?
長い割に結末おざなりじゃね?丁寧にするところ間違えてね?とも思ったけど、ラストカットは面白かった。なるほどね。ついにそこまで出現させちゃったのね……。ちゃんとオープニングと対になってて綺麗。
【一番好きなシーン】
着いて、二人に挨拶。二人しかいないはずなのに、チラッと見える人間っぽい何か。怖い。