モールス

惑星ソラリスのモールスのレビュー・感想・評価

惑星ソラリス(1972年製作の映画)
5.0
言うまでもなく、哲学SFの最高峰として、「2001年宇宙の旅」と並び称されるタルコフスキーの傑作であります。ソラリスという惑星を通して、人間が持つ潜在的な意識を映像化させた監督のテクニックはスゴいの一言です。亡くなった妻への想い、故郷への望郷の念など人間が生きいてる以上は絶対に頭から離れない想いをSF的描写してることに映画作品としての稀少性がありますね。
またクローン人間という問題も取り上げられて、神道的な描写も興味深かったですね。タルコフスキー監督の品格ある演出には唸るしかありません。
ストーリーも素晴らしいのですが、その世界観を余すところなく伝えた映像美で更に高尚さを持たせてます。人工的な美しさではなく、水を用いた自然美はタルコフスキー監督の真骨頂で魅せられました。これが40年以上前の作品とは信じられません。
またラストシーンは衝撃的過ぎます。冒頭の映像とラストの映像の繋がりが見事で、この手法は現代映画でも用いられてるところに映画界でリスペクトされることが伝わってきます。やはり傑作としか言いようがない哲学SFの金字塔だと思います。
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