回想シーンでご飯3杯いける

鳥の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
3.7
僕が鳥を嫌いになったのは、恐らく小さい頃にこの映画を観たから。あれから数十年ぶりの鑑賞になる。

アルフレッド・ヒッチコックによる作品で、とにかく鳥、鳥、鳥! ペットショップで出会ったイケメン弁護士に「ラブバード」を手渡すために、サプライズで彼が住む港町を訪れる女性。しかし、彼女が「ラブバード」を手に到着すると同時に、カモメやカラスが大量に表れ、港町の住民を襲い始める。

1963年の作品なのに、記憶の中にあったそれよりも、かなり鮮明な映像に驚く。鳥の姿は合成を多用しているものの、遠近法を上手く取り入れた画面構成と、立体的な効果音で、視覚情報を上手く増幅している。特に、鳥の羽ばたく音と鳴き声が醸し出す恐怖感が凄い。当時としてはかなり衝撃的だったと思われるグロ表現もある。

鳥は喋らないから余計に怖い。行動が咄嗟だから怖い。更に言うと、1羽が騒ぐと他の鳥も一斉に騒ぎ出す。それらの習性を見事に恐怖に変換するヒッチコック、さすがです。

鳥が人間を襲うようになった理由? 弁護士の母親の内面(訪れた若い女性に対する敵対心)を比喩表現したのだと理解したけど、どうだろう??