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悪魔の手毬唄のtakのレビュー・感想・評価

悪魔の手毬唄(1961年製作の映画)
3.0
名探偵金田一耕助は数多くの方が演じているけれど、高倉健の金田一耕助というレアな作品。しかも映画館で観られるなんて貴重な機会。小倉昭和館に感謝。僕らが持っている金田一耕助のイメージとは全く異なり、スポーツカーにサングラス、美人秘書を従えるイケメン探偵。渡辺邦男監督は、戦後から1950年代にかけて片岡千恵蔵主演の金田一耕助シリーズにも参加している。この頃、変装と射撃の名手の名探偵多羅尾伴内シリーズも人気があったから、似たスタイルになっているのですな。

原作に近いとされる市川崑監督版やテレビドラマで見ているイメージやストーリーとは異なるので、あれこれ観ている人は肩透かしを喰らうかも。なによりも、手毬唄に込められている因縁めいたおどろおどろしさは皆無。あのゾクゾクする感覚を求めるなら、期待しないが吉。しかし、それぞれの時代にそれぞれの金田一耕助がある。そう思って観るとなかなか興味深い。
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