スカパーにて再視聴。3時間の超大作をヒットさせたんだから、当時の東映は勢いがあったなぁと再確認したわ。出演俳優も豪華多数だし映画作りの規模が違う。
ロシアという日本にとって絶対的に不利な相手に戦争にならざるを得なかった情勢、そして開戦。
戦局を左右する拠点となる、中国・旅順の二百三高地にあるロシア要塞の熾烈な攻防戦が描かれる。
一応ストーリー状の主役は、あおい輝彦演じるロシア語に秀でた小隊長なのだろうが、実在した近衛師団長・乃木希典（仲代達矢）と総参謀長・児玉源太郎（丹波哲郎）の物語上の役割も大きい。
小隊長はロシアに思い入れもあり、部下に対する責任も持ち合わす。
乃木希典は膨大な兵の戦死に憂いながらも非情な指令を出し続け苦悩する。
児玉源太郎は日本を守るためにはこの戦いに勝たなければと犠牲も厭わない。
この3人の思惑がまさに当時の日本の置かれている立場を明確に表現している。キャラクターの心理描写を用いて史実を伝える演出は見事！！！
しかし無謀とも言える要塞攻め。人命の価値の低すぎる戦争の地獄絵図。今見るとハクソーリッジやプライベートライアンを思い浮かべるね。
またロシア側の兵隊を平等に描写している事も好感持てる。散々戦闘を繰り返しているのに休戦時に酒とタバコを交換し合うなど、戦ってはいても同じ人間同士だということをちゃんと表しているのはグッと来るね。
インターミッションの入るタイミングでのさだまさしの歌も抜群に良い。
