本作に触れたのは中学生の時
当時は親の仕事でマレーシアに住んでました
日本のエンタメはNHK(海外向け衛生放送)か、日本のTV番組を録画したVHSのレンタルショップ(確実に著作権違反)と限定されていたため
字幕無しの海外エンタメを貪ってたわけです
今のようにYouTubeで予告が観れるわけでもない
頼りは映画館のポスターのみ
マレー語と中国語が入り混じる他民族国家特有のポスターです…懐かしいです
(失敗しても当時現地通貨で300〜400円とかなりのリーズナブルな鑑賞料金だったので中学生のお小遣いでも優しい価格設定)
結果として原題もよく分からない酷い作品にもぶち当たりました…全部いい思い出です
ハリウッドの大作映画も中国語の字幕の漢字の雰囲気でなんとなく内容を掴むという今では考えられない視聴スタイルです
そんな中でもなんとも分かりやすい内容でぶっ刺さったのがこの「アナコンダ」です
ポスターには狡猾な蛇の両眼
そして”ANACONDA”と実にシンプルなタイトル
当時の私は、まだB級映画という括りは知りませんでしたが紛れもないB級な匂い
無駄にキャストが豪華です
肝心のアナコンダ先輩の姿が見れるのは開始から40分のタイミングです
(トトロ先輩と同じです、1時間30分の映画なので半分ぐらいアナコンダ先輩はお休みしてました)
えっなんでお前これに星5つけてるの?
…ええ、思い出補正ですよ
でも、誰にでもあるじゃないですか?
最初に観た時の年代やタイミングでなぜか個人的にベスト級になってしまう作品って
客観的な評価はお構いなしの大好き映画ってあるでしょ
そう、その一つが「アナコンダ」です
サブスク配信全盛の中で、どこも配信をしていない…
配信レンタルはおろか、円盤レンタルでもblu-rayは無しでDVDのみ
えっ…俺の生涯ベスト級作品の一つですよ…なんなんだこの扱い!!
よっしゃ、円盤買ったるわ!!!
Blu-ray買うぞ!!
disney+換算で3.5ヶ月分の課金です
再生早々に「wowow」のロゴ…お前が権利持ってるからこんな扱いなのか…責任持って毎週「アナコンダ」放送しろ!!
とまあ、25年ぶりぐらいに鑑賞したわけですが
…えっ、めっちゃ面白い!
…えっ、ちょっと最高すぎる!
この90年代後期の作品のCGの使い方が本当に大好きなんですよね
この年代の作品についてあくまで私の推測ですが…
きっかけは93年のジュラシック・パーク
そのCGの可能性で創作意欲が爆発したクリエイターたちの立てた企画が乱立した時代
なので本作のようにB級でありながらセンスが突き抜けた作品が生まれたりしたのだと思ってます
この時代の素晴らしいところは、CGを使う箇所があくまでCGでなければ表現できない箇所に限定されているところ
アナコンダ先輩が激しく動く箇所のみCGが使われて、それ以外の撮影はおそらく等身大で作ったアナコンダさんの各部位を使って撮影
なので絵的なリアリティは今観ても担保されてます
そして本作の1番の魅力で唯一無二なところが
アナコンダ先輩のクルクル攻撃です
基本的にはこれと噛むの2手しか技のないアナコンダ先輩ですが
クルクルに関しては得意の決まり手として色々なシチュエーションとバリエーションで見せてくれます
初登場でのクルクル
船上の夜間でのクルクル
滝ジャンプからの顔パクからのクルクル
超締め締めクルクルのごっくん(のちのリバースウインクに繋がる神展開です)
とクルクルを楽しむだけでも満足度の高いアクションシーンの数々
随所にリアル爆破もてんこ盛りで派手さも忘れません
各登場人物たちは初登場時点で行く末が分かってしまうほどの記号的な役割配置(※褒めてます)
巨大クリーチャー系B級作品のテンプレートに忠実な展開ではありますが
人間を丸呑みにできるアナコンダをお題にした大喜利で最高得点を連発するアイデア
この90年代後期でしか生まれなかったであろう傑作
時代とタイミングが混ざり合った至高のB級作品
wowowさん配信の権利は持ってないのかな…どこかのサブスクで権利取得して多くの方の目に触れてほしい大好きな作品