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死の王のmareのレビュー・感想・評価

死の王(1989年製作の映画)
3.5
あんなにふざけまくっていたネクロマンティックシリーズよりも至極真面目でアーティスティックな空気を纏った1週間にわたる死のアーカイブ。登場人物全員が死に向かっているわけだから物寂しさや無気力さが画面を支配していて、ブットゲライトの映画にしてはあまりエグさは前面に出ていない。いつか観た「クリーン、シェーブン」にも似た雰囲気、低予算感が良い。ストーリーどうこうではなく日記のように死に至るまでの思惑、状況など実にさまざまな形で綴られる。人間生まれ方は皆同じであるが、エンディングの迎え方は一つではない。自分がどうやって生きてきたかは分かっても、どう終わるかは誰しも自覚できない。ぼんやりとそんなことを考えながら腐敗していく死体を観てたら映画終わってた。
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