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沈黙の陰謀のblacknessfallのレビュー・感想・評価

沈黙の陰謀(1998年製作の映画)
3.4
セガール潰し。記録しておかないと何観たか分からなくなるからな。

今回のセガールはかつてCIAに勤めていた免疫学者、と言ってもいつもの佇まいだからそれらしくはまったく見えない笑
退職して今は牧場と診療所を営み娘と2人暮らし。

そんなある日、極右武装組織が殺人ウィルステロを決行、街がパンデミックに💨
この危機を乗り越えるにはアイツしかいねえってことで助けを求められるセガール。
セガールはパンデミックから街を救い極右武装組織を倒すことができるのか!?

今回は極右武装組織より彼らが撒き散らしたウィルスの方が遥かに強敵なんでアクションより対ウィルスに多くの時間が割かれる。
ウィルスが飛沫感染、空気感染していきあっという間にシャレならない事態になるのはコロナ禍の今観るとかなり緊張感を持つ。
おもしろいのはこのウィルス、武装して立て込もってた極右武装組織のボスが警察に投降することで撒き散らされる。ボスがわざと感染してテロってそのウィルスのワクチンを盾に政府と交渉を持ち掛ける。
ここでリアルだなと思ったのは、撒き散らしたが故に変異株で発生して武装組織も感染を収束させる術を失い、ボスも命が危なくなる展開になること笑

なので敵と味方が呉越同舟でウィルス対策にあたる何かパニック映画の様相を呈してくる。
書いているとかなり切迫感のある緊張度の高い映画のように見えるけど、そこは沈黙シリーズであり沈黙界でセガールに不可能はないのでけっこうあっさりある薬草がウィルスに効くことを発見する。
そして、免疫学者としか背景がないけど異様に戦闘能力が高く暴力であっけなく極右武装組織を壊滅させる笑

後に色んなのが出てくるからウィルスパニックだからってどうってことないけど、オンタイムで観た人達はかなり異色作に感じたと思う。
でも、今の視点で見れば危機はスルスル解決してセガールが無敵で終る、完全ないつも沈黙なんだよね笑

今だから気になるとこはウィルスの他に敵の極右武装組織、これがまんまトランプ支持者というかQアノンのノリそのモノだったことに驚いた。
ボスの演説の内容がトランプの言ってることにかなり似てた。
アメリカンファーストや白人至上主義、そして自分達は不当な扱いを受けているからそれらと戦うしかないと(Qアノン的な陰謀論)、決定的なのはトランプが大好きだったアメリカ第3代大統領トマス・ジェファーソンを賛美したこと。トランプはインディアンの強制移住を押し進めたジェファーソンの胸像を執務室に飾っていた。

Qアノンや議事堂を不法占拠した連中って昨日今日出てきたわけじゃなくてずっーと前からその下地がアメリカにはあったということだと思う。

しかし、1998年の時点でこういう連中を敵に設定したセガールのリベラル番長としての聡明さにもしびれたな笑
ウィルスを無効化する薬草がネイティブ・アメリカンの人達が代々使ってきたものにしたとこもセガールらしいメッセージ性を感じた笑

あまりおもしろくないけど、おれの好きなセガールみもあり、藤谷文子さんがセガールのアシスタント役で出演していて、親子共演もありと、見所は多い作品、おれにとっては。藤谷文子さんのファンでもあるので😄
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