Mikiyoshi1986

東京流れ者のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

東京流れ者(1966年製作の映画)
3.6
12月28日は渡哲也さんの75歳のお誕生日です。おめでとうございます!
本当は「仁義の墓場」のレビューを上げる気満々だったんですが、ちょうど昨日なんと夢に鈴木清順さんが出てきまして
「これはきっと何かの思し召しに違いない!」とばかりに急遽こちらを。

デビュー間もない頃の新星・渡哲也を主演に迎え、鈴木清順の異色演出が炸裂した日活やくざフィルムノワール。

ただ、日活製作の本作はその約10年後に東映で製作された「仁義の墓場」と結構繋がりが深くて、
郷鍈治や玉川伊佐男も出演されてるし、「仁義ない戦い」で共演するはずだった川地民夫もライバル役。

日活特有のクサい台詞やダサめな演出、そして60s極東ポップカルチャーで彩られたかっこよさが混在し、至高のバランスの中にこれでもかとアヴァンギャルドな清順美学が投影された贅沢さ。この素晴らしいヘンテコさ。
色彩と照明による目まぐるしいカラー展開に目を奪われます。
佐世保の歓楽街とか超ツボ。

幾度と無く挿入される枯れ木、テーマソングのごり押し、ドライヤーの宣伝、スクラップの一部始終、キャバレーの乱闘騒ぎなど、清順さんの意表はどうやったって予測すらさせてもらえません。
クライマックスの白と黒で展開されるシークエンスとかもう最高。

小津作品の「おじさん」で親しまれる北竜二も親分として大変重要な物語のスイッチ役を担っています。
Mikiyoshi1986

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