このレビューはネタバレを含みます
仁義なき天成会の乱、終了編
2012年8月13日 16時52分レビュー。
1974年、脚本高田宏治。監督深作欣二。
深作欣二の「仁義」シリーズを見てみようシリーズ。銀色DVDが目にまぶしい東映スーパーDVD鑑賞です!
まあ正直番外編!
完結いうかムリクリ完結させなきゃ編という事で一応仁義シリーズの完結話なんですが、脚本家は違う。
主人公菅原文太はラストのみで終始出演せず。
物語は北大路欣也率いる天政会の組織乱のような仁義シリーズでありました!
凶暴な大友にはエースのジョーこと宍戸錠。宍戸さんのいつでも飲んだくれの暴力ごんたくれぶりも必見!
この大友って「広島死闘編」の千葉ちゃん竹刀振り回し男、あの役柄なんですねー。
調べてやっとわかりました。
そしてかつて日活の「渡り鳥」シリーズで戦いあった小林旭の素晴らしい統括部長理事長の悪役ぶり。必見。
野川由美子が北大路欣也の恋人
殆ど北大路組の内部ギクシャクに終始し、敵対にある宍戸大友組のがなりと文太兄いと兄弟杯を飲みあった松方兄貴の一触即発な暴発かき回しの感じの物語。
この松方さんの悪ーい顔必見!なんちゅー目つきが悪いこと!
まもなく出所します(菅原文太)は、最後の抗争火だねきっかけのみ出演
あっけない幕切れは、時代に隠居を感じた若者のザマを見た文太の引き際が
即ち
これ完結編というか、終了編の締めに当てられております。
やはり笠原和夫が素晴らしいのは、やはり高田さんとは別作品という脚本の素晴らしさにあるという明白事実が本シリーズにはあります。
それは見ればわかります。
菅原文太がでず、終始脇役たる人物が引っ張る本作は王道ではありません。
本作は主役は完全北大路欣也であり、彼のボス小林旭であり、敵対の宍戸さんになってきます。
組織抗争は結局出たり入ったりです。
中でも銃のエピソードは必見爆笑。
脇に新たな新顔を見せつつ
天政会の野望と分離抗争を仁義式に魅せて完する物語でありました。
それは
組織から政治結社に変われど
劇中の警察の台詞にあるように
政治といえども、やること変わってなかろうがぁ!
化けの皮はがしたるどぉ
という感じ。
やっぱり
前作「頂上作戦」が本当の「完結編」で
これは完全深作欣二ファンクラブ。仁義エピローグに近い感じの物語でありました。
荒々しさや
暴力加減
いらやしさ
ねちっこさもキャラクターも薄い感じが否めません。
また文太あにいの出し惜しみもシリーズ物にありがちな悲しさがあります。
はやく文太見たいのに、まだまだまだでないのぉー、みたいな!
これは石井輝男の「網走番外地」の続編にも顕著に現れる現象。
スターのおさえられないスケジュールなんですかね?
なかなか健さんがでないという現象です。
時代であり、しょうがないんでしょうね。
深作監督は、二、三作品並行して仁義シリーズ撮っていたメガヒットでしたからね。
さて
深作欣二の「仁義」完結編
天政会の乱
深作ファンクラブ必見!の物語でございました。
仁義なき天成会の乱、終了編
ぜひ!