バナバナ

マリー・アントワネットの首飾りのバナバナのレビュー・感想・評価

3.8
この映画はかなり史実に忠実らしいですが、但し、首飾り事件の首謀者ジャンヌが、本当にヴァロワ家の末裔で家の再興を切に願っている人間、として描かれています。しかも純愛モードで。
史実に詳しい人は、もうこの時点で許せないみたいですね。
私は何の思い入れもないので、もしそうだったら…という過程を受け入れて、この映画を見ました。

私は首飾り事件の詳細も知らなかったので、よくこんな簡単に足がつくような計画で大物を騙したよな、とか、
王妃の名を騙ったのに、よくぞこれ位の刑で済んだよな、とか、
フランスの高等法院(司法機関)って、この時代でも国王と完全に分離して裁判してたんだ、とか、
カリオストロ伯爵って実在して、ここに出てきたんだ、
などと、色々知っただけでも面白かったです。

ジャンヌが“V”の焼き印を押された箇所は、本当は胸ではなく額だったそうですが、これは、江戸時代に泥棒で捕まった人が、4回目の逮捕で額に“犬”の刺青が出来あがるのと似てますね。
こんな額にVの字を付けた女がどこの国で回顧録を出版しようと、すぐ相手にされなくなった感じがします。
現実は、映画のように美しくは無い…。
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