マーティン・シーンが主演。
アメリカの眼科医トムの下に、息子がスペインに巡礼に行った初日に急逝したとの連絡が入る。
長らく息子とは疎遠になっていたトムだったが、遺体を引き取りにスペインに向かうと、そのまま息子の代わりに巡礼の旅を続けようと思い立つのだった…。
息子のエミリオ・エステヴェスが監督で、亡くなった息子役を演じている。
エミリオ・エステヴェス、若い頃はあまり思わなかったけど、マーティン・シーンにそっくりになっていて驚いた。
『サン・ジャックへの道』はフランスからスペインまでの巡礼のツアーだったが、今作では単独の旅。
だが、巡礼のコースは決まっているので、次第に同行する仲間が出来てくる。
が、余りにタイプや考え方が違う人たちなので、途中まではギクシャクしているが、腹の内をさらけ出した後は“仲間”という感じになっていた。
頑なだったトムの心も、旅の終わりの方では「俺の話を小説にしてもいいよ」と落ち着いていた。
とりあえず息子が果たしたかった目的を完遂できたから、気持ちの整理がついたのか…。
巡礼には軽い動機の人も、重い動機の人も居たが、800kmを歩くことで(体を使うから)、気持ちがスッキリして前に向ける様になるのだろうか。