くぅー

3時10分、決断のときのくぅーのレビュー・感想・評価

3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)
3.7
1957年の西部劇作品『決断の3時10分』のリメイク。
殺人を繰り返して懸賞金を懸けられた強盗団の極悪ボスが捕まり、裁判所のあるユマ行きの列車に乗せるための護送団の旅が始まるが、当然、強盗団はボスを奪還するために迫り来る・・・その護送団に加わったある退役軍人がやがてキーマンとなり、旅は思わぬ方向へと動く。

冒頭からいい緊張感を保たせつつ展開させて行くあたりは、マンゴールド監督は流石の巧さ・・・キャスティングもハマり、派手なドンパチもしっかり仕込み、飽きさせないストーリーテリングもなかなか。

ただし、あのラスト・・・父誇りに焦点を当てるのもいいし、あの息子に姿を重ねるボスも悪くはないが、あの二人が心底に意気投合するまでの描写が浅い気がした。
そう、幾つかの攻防シーンを削ってでも、男同士の魂の会話をもっと見せとくべきかと・・・あの名言を生かすためにも、ディープにクロスさせて欲しかった。

なお、キャストでは、まずはラッセル・クロウ・・・悪役においても際立つ存在感は圧巻の域。
対する芸達者のクリスチャン・ベールは、悲哀の熱演が実に良くて・・・この二人のアンサンブルは一見の価値あり。
さらには、ベン・フォスターの持ち味の凄みをきっちり披露し・・・あのピーター・フォンダに、グレッチェン・モルらのサポートもグッジョブ。
くぅー

くぅー