まだ死にたくない
2004年アフガニスタン。解体中の即席爆発装置が爆発する。新たに爆発物処理の専門家としてやってきたジェームズ軍曹は、自らの命を顧みず任務終了までの間様々な爆弾の処理に取り組んでいく。
追体験させるような撮り方は臨場感がありました。とにかくカメラがブレて焦点が合うのに時間がかかる。誰にフォーカスしているのかわからず、誰が死ぬのかわからない緊張感はかなりのもの。正直言って疲れます(いい意味で)。ただ基地内での会話などはもう少し固定して撮ってくれるとありがたかったです。危うく酔いそうでした。
政治的なメッセージはあまり感じませんでした。戦争への賛否以上に、一兵士がイラクで見たものを切り取ることに専念しているように思います。ジェームズから見た同僚、爆発物処理の現場、イラクの市井の人々から何を感じ取るかは人によっても異なりそう。個人的には、ジェームズの同僚に同情する一方で、「イヤなやつ」だと感じました。例えばサンボーンの現地の人々を指す言葉遣い。イラクの人びとの傷や葛藤が描かれていないという話もあるそうですが、現地の人びとがアメリカ兵に投げかける眼差しには複雑な心境が見て取れました。
個人的にジェームズの身勝手な行動が、「それは軍としてリアリティがあるのか？」と疑問に思う部分があり、少し引っかかりました。それと、服着たままシャワー浴びるのって戦争映画ではあるものなんでしょうか...？その辺りの演出が現実に沿っているのか分かりませんでした。
