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髪結いの亭主のavantgardeのレビュー・感想・評価

髪結いの亭主(1990年製作の映画)
3.9
いつも哀しげな彼女

心は満身創痍のまま生きていたのか。
夫の愛の深さを知るたびに不安の連鎖の溝に嵌る…そんな心の闇を抱えた彼女の過去が明かされることはなく、謎に包まれたまま物語は突然終わる。

彼女は夫に言った。

「愛しているフリをするのだけはやめて」

その言葉に彼女が夫に出逢うまでの人生の全てが語られているように思える。この映画、観終わったあとになって、場面のひとつひとつがまるでさざなみのように繰り返し蘇って来て、ジーンと心に染みてくる感じなのがいい。
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