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トム・アット・ザ・ファームのavantgardeのレビュー・感想・評価

3.9
つくづくドランは"狂気"が好きなんだなと思う。

ドランの映画に出てくる人物は、誰もかれも何かに取り憑かれているようで、あまりフツーのヒトはいない。特にこの作品の登場人物、ギヨームの母親はまさにお狐様に取り憑かれたようなおヒトで、正気を失った表情のままから唐突として暴力的な人間に豹変したり、、、アニキに至っては、都会では滅多にお目にかかれないくらいの田舎者まるだしのサイコパス野郎だし、、、
わりとマトモに見えたトムとギヨームの同僚女性サラでさえ、結局キチガイアニキとネンゴロになる始末。

この狂った世界に迷い込み、囚われの身になった(ドラン演じる) トムがそこから抜け出そうと、必死に出口を探す様子から、この映画はコアな観客向けのドロドロ系お伽話なのかとも感じたが、、、やっぱりアレか、、、どっちかといえば好き嫌いわかれるタイプの映画かもしれない。
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