avantgarde

ノルウェイの森のavantgardeのレビュー・感想・評価

ノルウェイの森(2010年製作の映画)
4.1
外国の映画を観ているようだと思ったら、フランス育ちのヴェトナム人監督によるものだった。この原作を読んだのは20年くらい前だったのだけど、妙に描写や言葉とかの細かいところまで覚えていて、映画のセリフが小説のと違っていたりするのにも敏感に分かっちゃったりした。

映画を観てから改めてこの原作が映像化するのに相応しい作品と知る。これ程読んでいて、(進行とともに)場面の各シーンのイメージが見えてくる小説は珍しかったし、登場人物の顔も私の想像の中で常に映し出されていたから…。この映画のキャストの多くは私がイメージしていた人物とは違っていたけど、それなりに違和感なく観ることできた。

観ていて、原作「ノルウェイの森」の内容に忠実に作られていて、小説の醸し出す美学をそこなわぬように撮ろうという熱意がとてもよく伝わった。きっとこの監督の原作への思い入れが相当強いのだろうなと感じさせるものが映画全体から充分に感じられ、それが感動に繋がった。
avantgarde

avantgarde