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食べて、祈って、恋をしてのCharlieZGのレビュー・感想・評価

食べて、祈って、恋をして(2010年製作の映画)
3.5
仕事と結婚生活に忙殺されて行き詰まっていた小説家リズが自分探しの旅に出る話。

仕事で訪れていたバリ島の薬療師に手相占いしてもらい、自分の悩みの根源が明らかにされてそれが明確な目標になる・・・と言えば聞こえはいいが、私にはマインドコントロールされたとしか思えなかった。
宗教にのめり込む時は、自分の弱みと占い師の言葉が心の深い所でいくつもシンクロするから起きてしまうのではないか。
つまりリズはクトゥの言葉を実践しただけで占いが的中したのとは違うように見えた。

ただし、ここからのリズの行動力・バイタリティが凄い。
普通の人だと憧れで終わってしまいそうな事も次々にトライしてものにしていく。
途中リズは何度も振り返り自分の立ち位置を確認しながら旅を続けるところも偉いと思った。

祝詞をあげるシーンとかインドの宗教色が濃く表れていて、無信仰の私からするとその部分がやけに鼻に付いたが、精神の静寂を保ち自分自身を見つめる行為は宗教を超えて大切だとも感じた。

やはり目を引いたのはイタリア料理の数々、矢継ぎ早に見せるパスタはどれも美味しそう、大きなピザを頬張るリズとソフィ、私にも一片分けてぇ(笑)
他にもカフェのケーキや広場のジェラートは定番ですね。
イタリア人独特の手振りの意味解説も笑えた。

それから各国々のシーンで音楽も使い分けされていて良かった。
ブラジル人設定のハビエル・バルデムが登場するシーンでかかる曲はベベウやジョアンのジルベルト父娘のボサノバ曲、バリ島のお洒落なアジアンリゾートな部屋にもよく似合ってた。

それまでの自分を全部捨てて探求の旅に出る、そこで出会う人や事から素直に学べば自分を見つけられると教えてくれる作品。

“アトラヴェルシアーモ”
未来は分からないけど渡って行こう。
そんな希望が美しく心に響く佳作。
良かった。


監督 ライアン・マーフィー

キャスト
ジュリア・ロバーツ
ビリー・クラダップ
ジェームズ・フランコ
ツヴァ・ノヴォトニー
ヴィオラ・デイヴィス
ハビエル・バルデム
リチャード・ジェンキンス
マイク・オマリー
クリスティン・ハキム
ルカ・アルジェンテロ
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