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イップ・マン 序章のp99のレビュー・感想・評価

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)
4.2
S君,Y君,Kさん「イップ・マン!イップ・マン!」

こうもみんなが「イップ・マン!」と熱狂する理由が、鑑賞したら分かった。

ドニー・イェン演じるイップ・マン。小柄で、飄々とした男だ。地味だが、どこか気品があり、身のこなしは軽やかである。

彼が画面に現れた直後は、「イップ・マン!」と熱狂する理由はまだ分からない。しかし、イップ邸の近くに道場を開いた男がイップ・マンと手合せするシーンから、徐々にイップ・マンに惹かれざるをえなくなった。

なぜなら、とにかく彼は「強い」からである!

「強い」と言っても、ただ暴れるだけではない。対戦相手に対する「礼」を忘れぬその態度は、彼の人間としての大きさを表している。普段は「能ある鷹」の如く佇んでいるところもまた良い。

イップ・マン(葉問師匠)は実在の人物である。詠春拳の達人で、それを世に広めた人であり、ブルース・リーの師匠でもある。なので、彼は中国武術、そしてカンフー映画の始祖の一人であると言えるだろう。

本作ではそんな彼を映像化するに当たって、制作陣の本気度がうかがえる。アクション指導にはサモ・ハン・キンポーを迎え、万全の態勢で撮影が行われている。

ストーリーはシンプルだ。アクションシーンで多少の脚色が入る以外は、いたって真面目に制作されており、画面も地味だ。しかし、当時の街並みや暮らしの再現には多大な労力が必要であるため、舞台の「地味さ」はそれだけ手が込んでいることを示している。街の様子にあまり違和感を感じないことに、制作陣の本気を感じるのである。そして、だからこそ、イップ・マンの人間離れしたアクションがこうも映えるのだろう。

ちなみに敵役は日本人である。脚色はあるにしろ実話に則している。イップ・マンは「日本人には詠春拳を教えるな」と言ったと伝えられる人物であり、最後に戦う相手として日本軍の将軍、三浦(池内博之)があてがわれたとて、なにも荒唐無稽な話ではない。普段は温厚なイップ・マンがどのような心境で日本軍と戦うのか、是非目に焼き付けていただきたい。それは日本人である我々の目にも格好よく映る。

「地味」な舞台で、「地味」なイップ・マンが「派手」に暴れまわる!!実に痛快である!!

S君,Y君,Kさん,p99「イップ・マン!イップ・マン!イップ・マン!イップ・マン!」