京・野添・若尾・船越ら黄金キャストが全員最高に面白いのはもちろんだし、クレジットでなぜか全然目立っていない高峰三枝子の貫禄も素晴らしいが、MVPは北林谷栄に授けざるをえない。精緻極まりない完璧なオババっぷりと「命令系統」や「労働基準法」などのスクエアなワードのミスマッチが絶妙なおかしみを生む。彼女に対する野添・若尾コンビの罵詈雑言もひどすぎて爆笑。
京マチ子の結末含めどことなくジョージ・キューカー『女たち』を思い出させるのだが、決してバカでも鈍感でもないのにノンシャランとあの展開を受け入れる京マチ子のほうが納得性があるという感じがする。