あさと

それでもボクはやってないのあさとのレビュー・感想・評価

それでもボクはやってない(2007年製作の映画)
4.1
エンタメ映画の大家、周防正行監督が痴漢冤罪という社会派なテーマに切り込んだドキュメンタリー調な映画。

痴漢というとなんだかしょうもないテーマに思えるけど、加害者とされた当人にとっては大問題で、そんなプロセスを映画を通して知れたのはよかった。特に裁判の描写が的確で、自分の知らないことをたくさん知れたのがよかった。たとえば「裁判中に裁判長が代わることはよくある」というシーン。裁判長によって判決が異なることもよくあるわけで、そんな事実を知れたのはよかった。

キャストもみんなよかった。DVDで見たんだけど、DVD特典の出演者解説のところを見ると監督がよく考えてキャスティングしたことがわかった。労力をかけた映画だし、それに見合う内容の濃さで得るものが多い映画だった。樹木希林さんが日本アカデミー賞授与式のときにこの映画じゃなく自身の出演した東京タワーが受賞したのが不満で文句を言ったというエピソードがあるんだけど、俺もどちらの映画を見た上で同意見だなと思いました。
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