日本の司法における問題点を人々に考えさせるというメッセージを、日常的なテーマを用いて描き、わかりやすく、そして強く伝えている。非常に身近な問題で、誰にでも起こりうる問題だというところが、観ている人をストーリーに容易に入り込ませてくれる効果を持っていた。
法律や痴漢事件に詳しいわけではないが、色々な点でストーリー面におけるディテール部分もしっかり作り込まれていたように思われて、裁判のシステムや現状を理解する上で良い勉強になった。
プロットにおいて、面白さ、身近さ、ディテールの細かさが良かったのみだけではなく、ショットとショットの切り替わり部分のカメラワークも工夫がなされていて面白かったし、音楽の選択もシンプルなものにとどめ、少なめにしていたところがプロットや映画全体の雰囲気と一貫していて良かったと思う。
とっても緊張感があり、期待や落胆、驚きなど感情の波を与えてくれて、決して短くないが観てて全く飽きなかったし、とても面白かった。
