Yoshiyuki

GAGARINE/ガガーリンのYoshiyukiのレビュー・感想・評価

GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)
4.3
思い出が詰まった我が家を守りたい。という気持ちから、ガガーリン団地を守ろうと行動に移すユーリ。
けれども、大きな力に勝てるわけもなく。。。
どうせこの空間があるのならば、自分の好きなこの団地で、いつかの夢だった宇宙飛行士になろうじゃないか。

ユーリにとって、幼い頃の母との記憶、友人との思い出などが詰まった大切な場所なんだろうな、というのが伝わって来た。

ドキュメンタリーではなく、ドラマチックなわけでもなく、静かな描写とユニークなカメラワークが多く、少しアーティスティックな印象を与える作品。
特に後半に行くほど、物語に合わせてカメラワークも無重力空間を浮遊しているような感じになっていくところは、楽しみの1つ。

よく目にするフランス作品といえば、パリを舞台にした恋愛ものや学校もの、田舎の美しい景色と家族とか、そういうものが多かったが、パリ郊外の低所得層が多く居住する地域にフォーカスを当てた作品は、これまで見る機会があまり無かったので、フランスの知らなかった一面を垣間見れた気がして良かった!

ちょうどガガーリン団地の解体作業が終了したタイミングで本作も公開され、団地跡の近くで上映会も行ったのだとか!
元住民の方たちが見たら、様々な思い出が蘇りながらより一層深くまで味わえたのだろうな、なんて想像してみたりして、、!
Yoshiyuki

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