Yoshiyuki

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男のYoshiyukiのレビュー・感想・評価

4.1
Dries Van Notenは、雑誌をはじめとする媒体に広告を出さず、コレクションを唯一のコミュニケーション方法としているブランド。そして、アヴァンギャルドで「そんな服絶対道中で着れないだろ…」みたいな前衛的なコスチュームがコレクションに多く登場した90年代でも、実際に着れるリアリティのある服を貫き通したブランドでもある。
一貫した信念がカッコいいなと思って映画を見てみた。

高級ブランドのアイテムをよく買うわけでもないし、ファッションを専門的に見たことがあるわけでもないけど、コレクションを見るのは割と好きで、こういうブランドのストーリーを知るとより楽しく見れる。

ドリスが「リラックスさ」を大事にしているのは知らなかったけど、確かに生地がいつもゆったりしていて、AWコレクションでも硬くて動きづらそうな素材とかシルエットになっているのをあんまり見たことがない。
自分の感性を爆発させるタイプとか、独創性を優先するタイプとか色んなデザイナーがいると思うけど、着る人はシーンを想像してデザインしてくれていると思うとさらに好感が湧いてしまう!

自問自答を重ねて酷評を受けた時期を乗り越えた2005年春夏コレクションが本当に美しくて息を飲んだ。
2016春夏のメンズもマリリンは着れないけど、紺地のフラワープリントが素敵。映画でのタイトルにも「花を愛する男」とあるし、フラワープリントが頻出するけど、フラワープリントが無くても素敵なコレクションが多い。
2024-25 AWのメンズコレクションもすごくカッコよかったので好きな方は是非YouTubeで見てみてほしい(急に誰w)

数年前にどこかのグループの傘下に入ったらしいが、彼らしさを貫いてこれからも挑戦しつつも、リアリティのあるベーシックなワードローブづくりをしてくれたら良いなーと思う。

インド担当者の英語が若干インド訛りになっていたのと、映画内に登場する飼い犬がちょっぴり寂しげだったのがなんか面白かったwww
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