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フェリーニのローマのbennoのレビュー・感想・評価

フェリーニのローマ(1972年製作の映画)
4.3
『全ての道はローマに通ず』…

今となっては…『ローマに通じる道は高速道路になってしまった』…。

フェリーニは『道』以来…2作品目…敷居の高さから手が伸びず、漸くの鑑賞です…。


今作は巨匠フェリーニによる永遠の都であり愛すべきローマへの映像オマージュ…ニーノ・ロータの音楽も心を惹きつけます…。

監督の少年期…授業で見た女性の大きなお尻 から始まり、羨望の眼差しで見つめたローマ行きの列車…。

それから…青年となった監督はローマに降り立ちます…しかしあまりのカッコ良さに(笑)…。

下町ローマの食事風景…陽気でフレンドリーで食が大好きなイタリア人のバイタリティが熱い…。

兎に角、次から次へと映像の洪水…。

当時のボードビルショー、売春宿、高級娼館、交通渋滞…そして地下鉄工事で見つかった2000年前のフレスコ画…外気に触れてあっと言う間に消えてしまったのには、口があんぐり…。

圧巻だったのは…教会のファッションショー(!?) …枢機卿を前にして聖職者たちのお戯れ…やんわり宗教批判も皮肉たっぷりで愉しめます…何より目が愉しい!!

素晴らしい映像作家さんには数多出逢いましたが…フェリーニは何を持ってして映像の魔術師…?? 最初は疑心暗鬼でしたが…ちょっぴり体感できました…

兎に角、映像が愉しい!! 次に何を観せられるのかワクワク…陰影、色彩設計、アートワークや技術は勿論、それを凌駕するもっと単純で根本的な映像の楽しみ…目から鱗でした…。

それを魅せつけられたのがファッションショーからのラストのシークエンス…。

これでもかの高揚感を高めて…夜のローマをアナーキーなバイク族が暴走…フェリーニが探し求めていた真のローマの姿…コロッセオ、ナヴォーナ広場にサンタンジェロ城…名所を巡り、陰翳に哀惜を秘めながらも、映像から監督のローマ愛をひしと感じます…。

ローマが腐ったのではない…
      人間が腐ったのだ…。



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thanks to ; のんchanさ〰︎ん ∗⿻ᐝ
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