ノッチ

エクソシスト3のノッチのレビュー・感想・評価

エクソシスト3(1990年製作の映画)
3.5
ワシントンDCで起った猟奇殺人事件。

首を切断され磔にされた惨殺死体が発見される。

事件の担当となったキンダーマン警部は捜査を進める内に、やがてリーガンの悪魔払いで死んだはずのカラス神父の存在に突き当たる……。

『エクソシスト2』に不満をもった、原作者のウイリアム・ピーター・ブラッティが、自ら脚本・監督をこなした「正統な」続編。

随所に名シーン(特に病院の廊下の長まわし)が散りばめられた秀作。 

リーガンは登場せず、オリジナルで出ていたキンダーマン警部補を主役としている。 

しかし、当時のリー・J・コッブはすでに逝去されたため、代わりにジョージ・C・スコットが担当した。 

さらに、1作目でカラス神父を演じたジェイソン・ミラーが、患者X=カラス神父役で再演。

全体的にハードボイルドでオカルト・ホラーっぽくはなく、猟奇殺人事件のナゾと、シリアル・サイコ・キラーを追う刑事ドラマ、という印象である。

芸術的な猟奇死体。

静と動の極端な演出。

病院内での殺人場面を長廻しで処理した演出はバッチリ。 

この手の作品を見慣れた者の度肝を抜く展開が多く、おどろおどろしい陰湿な雰囲気に背筋が寒くなる。

3は1より直接的なショッキングなシーンは少ない。

ただ、抑えた効果から滲み出る不気味さは秀逸で、日本のホラーに通じるものがあると思う。 

さすが正統な続編を名乗るだけのことはある。 

残念なのは字幕が酷い個所があるって事。 

意訳と言うより、ありゃ嘘だ。 
(主人公が偉い神父さんと被害者の共通点を洗い出すシーン) 

あと、ひたすら重厚すぎるのも考えもので…。

今回は刑事が犯人を追うサスペンスになっているものの、そのサスペンス部分については良く出来ているとは言い難く、会話シーンなど退屈で仕方ないときもある(会話自体も深いことは言ってない)。 

とはいえ、さほど話題になった、あるいは評価されているとは言えないが、ホラー好きには是非観て貰いたい隠れた優良ホラーだ。 

心臓破りなショックカットの大サービスがありますので、是非ともぎゅ~っと集中して鑑賞に勤しめる、万全な体制で臨みましょう。
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