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キャンディのsahoのレビュー・感想・評価

キャンディ(2006年製作の映画)
4.0
大好きなヒースの映画。

heaven earth hellの3つの過程で、夫婦が妊娠をきっかけにドラッグを断とうと闘う様子が描かれる。
正直、ダメダメ夫婦がひたすら堕ちていく映画。
それなのにとてもオシャレに撮っているからバランス◎
全体的にくすんだ色合いで描かれるのがツボだった

人って誰かを本気で愛すると弱くなる生き物。
そしてやっぱり女の子は、「好きな人の好きなものは、私も好きになりたい!」と思う生き物。
本気で好きだから不器用になるし、とくにこの2人は上手く愛せない。
その痛さと刹那さがこの映画をより良くしている要素。
最後には、この2人の関係こそがある意味ドラッグのように感じた。

どの映画でも男性の泣く姿にはぐっとくるけど、なんだろ、ヒースの涙ってどの俳優よりも特別。
ラストシーンは、キャンディの美しさとダンの気持ちに感情移入してホロリ。
劇中終始ダメ男だったダン。
だけどラストの選択だけは、自分のためではなく彼女のことだけを思ったからできた。
本当の愛し方をこの時悟った瞬間。

この映画は恋愛映画でもありジャンキー映画でもある。
クスリ漬けの日々から抜け出すのは並大抵のものじゃないし、
そんな甘くないよって話。(もちろん経験したことはないですが…)
ヒースが薬物の過剰摂取で亡くなったことを思い出して余計切なくなった。

プールでキスするシーン
サングラスを盗むシーン
マクドナルドのシーン
ダンが怒られて犬みたいにキャンディに従順なシーン
キャンディが壁に二人の物語を殴り書きするシーン(この物語の一語一句素敵)
内容は重いけれど、アイコニックなシーンもたくさん。

これは、1人で観る方がいい。
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