あんがすざろっく

きょうのできごと a day on the planetのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

4.5
今年の夏、コロナに罹患して自宅療養してた時、どうしようもなく鬱々としてまして。 
これは、今まで見てきた作品の中で、気分的にしっくりくるのを見返そうと思い、DVDを引っ張り出しました。
青春映画ばかり見ていた気がする。
下書きして、そのままにしてしまってました。
何回も見てる、大好きな作品です。



一人になるのが、寂しくなる映画。
誰かと、一緒にいたくなる映画。


出演者全員が関西弁に挑み(関西出身のキャストもいますが)、僕は関西出身でないから分かりませんが、皆さん違和感なく話されていたのではないでしょうか。
関西圏の方、本作を見たらどう思われるのかな。

なかなかの豪華キャストでもあり、通好みでもあり。
でも公開当時、これだけのキャストを集めて、こんなトーンの作品を僕は初めて見ました。
青春群像劇だけど、大きな見せ場はありません。
この頃、本作を上映していたテアトル新宿によく通ってたなぁ。



何のへんてつもない、何もない日々。
ニュースを見れば、えぇ⁉️そんなことあんの⁉️って思うこともあるけど、それが日常。大きなニュースは大体テレビの中なんです。
そんなニュースを見ながら、家族や友達と、ああでもないこうでもないと喋り続ける。
眠りについて、また朝が来る。

玄関に脱ぎ散らかされた、靴。朝日の差し込む、上り框。
誰かの家に集まって、飲み明かした後の寂しさだよなぁ。
でも起きた時にみんなかいるのが嬉しかったりね。



海辺の女子高生の話と、壁に挟まれる男の話、最初に見た時は、何の繋がりがあるんだ、と思ってたんだけど、あの女子高生は、あの救急隊の隊員さんは、相手を一人(一頭)にするのを放っておけなかったんですね。


真紀ちゃんは、きっと中澤君とけいとの仲を見抜いてます。
羨ましく思ってるんだろうなぁ。
車の中での真紀ちゃんの意味不明な八つ当たりと空回りは、中澤君とけいとの仲の良さへのやきもちと、自分のことをもっと見て欲しい感情のひた隠しなのかもなぁ。
真紀ちゃんがいきなり中澤君の小学校に行きたくなったのは、中澤君とけいとの楽しそうな会話を聞いてたからですよね。


毎回見る度に最高に面白いのが、真紀ちゃんとけいとが酒飲んで管巻くシーン。
そこからのけいとの「かわちく〜ん🥹」の流れ。演技と思えない(笑)。
あの酔っ払った演技は出色ですね。



改めて見返して、女子と絡めない西山の痛さも最高に面白い。
女子に相手にしてもらえなくて、
だからテレビに向かって突っ込み入れてる。
シンメトリーが好きだから、あの髪型は余計に腹立ったんだろうねぇ。

あと、正道君。
あんまりみんなと絡まないようで、肝心なところではちゃんと間に入ってくれる。
正道君の鴨川での電話のシーンがたまらなく大好きで。
「上手く、言われへんけど」。
正道君、もどかしいのよ‼︎
彼はもっと言いたいことあるはずなのに。
自分の本音と裏腹に、相手の言葉が怖くて、気持ちに踏み込めない。
でも、この正道君の気持ちが一番よく分かる。一番共感できる。

 
真紀ちゃん役が田中麗奈さん。
どの作品を見ても、どこかクールな印象があるんですけど、本作の彼女はむちゃくちゃ可愛い😍
ホントに恋する女子がハマってる。

で、けいと役が伊藤歩さん。
この人の可愛さも破壊力抜群。
全然作品と関係ないけど、伊藤歩さんも何気に歌声が好き。
ジュディマリのYUKIさんとか、CHARAさんとバンドやってませんでしたっけ?


山本太郎さんもまだこんなところに出てたんですね。
ワッツアップ‼️

北村一輝さんも、ちょっとしか出ていないけど、いかにもな兄ちゃんがいい感じ。




かわち君の空気の読めなさ、分かる気がする。
彼はモテそうに見えて、実は自分に自信を持てない。

かわち君とちよって、なんで付き合ってるんでしょうね。
ちよって、口きっついですよね。
何のタイミングで怒るのかが分からない。
でも優しいところもあって、人間って難しいなぁ。
で、ちよ役の池脇千鶴さん。
ちょっと近寄りにくいけど(笑)、本当にかわち君が好きなんでしょうね。

映画の最後、ホントに最後の最後、ちよのあまりにも切れ味見事な突っ込みが空気をぶった斬る。
こんな幕引きありますか?
でも、この終わり方が好きになってしまう映画。

エンディングで流れる矢井田瞳さんの「マーブル色の日」がとてもマッチしてて、いいです。



明日って、どうやって分かるの?
そんなもん決まっとるやないか‼︎明日は12時からや。
明日って、時間で決まってるんやなぁ。
あんがすざろっく

あんがすざろっく