あんがすざろっく

14歳の栞のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.3
ドキュメント3学期。

実は400レビュー、本作を繰り上げであげようかと迷いましたが、さすがに「ゴッドファーザー」以上の思い入れには遠く😅


作品の構成上、賛否があるような気がします。
でも僕は好きでした。

連投になってしまいますが、早くレビューをあげたくてウズウズしていたのも事実。


去年の今頃、劇場の予告編で観て、とても気になったんです。

ただ、配信はないし、ソフト化もされないんです。
2021年の公開で、各地で順々に劇場を回ってたんですね。
それが丁度いいタイミングで、池袋にて凱旋公開。

本作を1本の映画として観るかは、人それぞれだと思うのですが、劇場でしか観られないなら、とても貴重な体験です。



主人公は中学校の2年生。
クラス35人、3学期の密着。
卒業までの時間ではなく、3年生を送る側の2年生。
そして間もなく最上級生。
受験も目前に迫ってくる。


色んな子がいるんだよね。

暗いこと考えたくないから、明るくしてる子。

自分を変えたいけど、周りから色々思われたくないから、変えられない子。

喋りたくて仕方なくて、じっとしていられない子。

部活をしたいのに、怪我で動けずに悶々としている子。

妹の誕生を心待ちにしながら、自分はお姉ちゃんになれるのだろうかと不安になる子。

砂でチ◯コの絵を描いて大喜びしてる子。

自分には何にもないから、と勝手に線を引いておちゃらける子。

仲間に混ざりたくない子。

部活を適当にやってる部員を許せない子。

裏切られたくなくて友達と距離をつくる子。

周りのクラスメイトが廊下ではしゃきながら移動している中、一人エレベーターで移動する子。

早く学校から帰って、家でゲームすることだけを考えてる子。

好きな子からの電話とLINEを何より楽しみにしている子。

バレンタインのお返しに悩む子。

学校に来れなくなった子。

その責任をただ一人で背負おうとした子。




クラスで一致団結するなんて、簡単なことじゃないです。
こんなに個性が集まってるんだから。
目立つ子もいれば、個性を発揮できない子もいます。
今から将来のことを考えても遅すぎる、なんて子もいる。
14歳ってつまんないな、って思ってる子もいるでしょう。
ほとんどがそうかも知れない。

多分、今の14歳の子が観るよりも、後々振り返った時の方がグッとくるんだろうな。

何か特別なイベントなんかなくたって、それでも中学2年生はたった1回。

自分の中学時代を振り返るよりも、クラスの中に息子にそっくりな子がいたり、娘みたいな子がいたり、何だか子供達の学校生活を覗いているみたいで、ドキドキしてしまいました。
勉強だけが全てじゃないですね。
得意なものが一つでもあればいいんです。
好きなことがなくても、やりたいことがなくても、学校行きたくなくても、それも悪いことじゃないです。

もう一回、奥さんと一緒に観に行きたいな。
でもきっと、子供達は誘わない。
自分で「観たい‼️」って言うようになったら、子供達だけで観に行って欲しい。


NHKのドキュメント72時間が好きなんですけど、こんな感じでやったら、どうなったんだろうな。
唯一の難点は(個人的に)劇中のBGMはちょっと煩かったかな。

今後も配信、ソフト化はないでしょう。
劇場だけで目にできるドキュメンタリーです。
エンディングには、クリープハイプの「栞」。
お近くの劇場で上映した際は、是非。
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