<概説>
老若男女も貧富も問わず、人々は不老不死の法を求めずにはおかれない。秘法を求めて九人の仲間と踏破した聖なる山で、男は何を得ることができるのか。
<感想>
ホドロフスキー映画で現状多分一番好き。
いつも通りにエログロ&スカトロジー&差別的表現満載と人を選びこそしますが、それを無視できるくらいには舞台美術が優れている。
ある時には毒々しいまでに鮮やかな色彩だったり、またある時には生々しい肉体の色ばかりだったりとか。こういった配色からして既にグロテスクで素敵。
セット全体に目を向ければ俯瞰図なのに平面図のようでもある会議室は衝撃的ですし、無意味に回転する奥の間は人間が移動するだけでも楽しい。
悪趣味に悪趣味を重ねることこそカルト映画の本懐と、
全然異なる作品ですがパゾリーニの『ソドムの市』の芸術観を思い出しながら頷いてしまいました。
といっても最期はホドロフスキー作品に落ち着きます。
きっとあの手法を使うのが監督大好きなんでしょうね。