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エリザベス:ゴールデン・エイジのkojikojiのレビュー・感想・評価

3.6
「ブーリン家の姉妹」(2008年)
「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」(2018)
「エリザベス」(1998)
そして「ゴーデンエイジ」
この4作を通して見ると、この時代のイギリス🇬🇧の歴史が自然と頭に入って、どの映画も結構面白くなる。未鑑賞の方で歴史に興味のある方はこの順番でご覧になるといい。

前作「エリザベス」のその後を描く本作は、イギリスを世界に君臨する大帝国に押し上げていくきっかけとなるスペイン無敵艦隊との闘い「アルマダの海戦」が山場の歴史ものだ。ただ、エリザベス1世の内面の葛藤を中心に描いており、戦闘シーンもそれなりに描かれてはいるものの、そんなに大層なものではない。
彼女は生涯結婚することなく、「わたしはイギリスと結婚した」と公言して「処女王」と言われて人気があったようだ。彼女の時代はイギリスが繁栄した時代ととらえられていて、それが題名の「ゴールデンエイジ」ということなんのだろう。

1585年。プロテスタントの女王としてイングランドを治めるエリザベス1世(ケイト)は揺るぎない信念で王の威厳を保っていたが、国内外のカトリック信仰者たちの謀略に頭を痛めていた。
そんなある日、エリザベスの前に、新世界から帰還直後の航海士ウォルター・ローリー(クライヴ・オーウェン)が現われる。
エリザベスはローリーに密かに思いを寄せるが、彼女の女王としての信念がそれを許さない。
一方、スペインは当時「太陽の沈まぬ国」と言われるほど、旧大陸・新大陸に広大な領土を持つ帝国であった。そのスペイン国王フェリペ2世は、カトリックの国として、プロテスタントの国イングランドを制圧しようと伺っていたが、ついにその時が訪れようとしていた。

「エリザベス」はケイトの出世作である。1998年に第1作を取り、2007年の今回、同じスタッフ、キャストで本作をとっている。
それだけに安定した映画になっている気がする。
主演のケイトは、一見能面のような表情をしながら、微妙な演技で葛藤する内面、孤独、不安を描いてみせる。ケイトの真骨頂のような演技。それに次から次に見せる服装、装飾品、カツラ、化粧がすごい。この彼女の絵のような姿がこの映画の見どころだ。

それなりに劇的ストーリー展開なのだが、全体的には何故か盛り上がりに欠け、あと一つ面白みがないように感じた。ケイトはすごいのだけれど。

No.1499 2023-531
2007年 イギリス🇬🇧/フランス🇫🇷映画
監督:シェカール・カプール
脚本:ウィリアム・ニコルソン
マイケル・ハースト(英語版)
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