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霧と影のbrianのレビュー・感想・評価

霧と影(1961年製作の映画)
3.5
新聞記者のコンビが教師の死の謎を紐解いていくサスペンスタッチの推理ドラマ。

舞台はとある北陸の田舎町。部落という言葉が出てきて閉鎖的な印象を残す。そこには言われなき差別や偏見が存在することを思い知らせる。日本の歴史がそうさせたのかもしれない。
しかし、人を殺めることは決して許されるものではない。

この映画には警察が一切関与していない。新聞記者が危険と隣り合わせの事件にいるのが驚きである。そう考えると、今は法律が整って比較的安全な生活をしているのではないだろうか。

丹波哲郎は刑事のような振る舞いで獲物を狙う眼光が鋭い。劇団に所属していた時期もあり丁寧な台詞回しが耳に残る。

梅宮辰夫は日活の浜田光夫を思わせるような爽やかさが現れていた。若さゆえの失態を演じて親近感が持てる。

監督の石井輝男はどちらかというと正攻法でシリアスな作品に仕上げている。エログロナンセンスな作品はまだ先の話だ。
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