Kuri

上海から来た女のKuriのレビュー・感想・評価

上海から来た女(1947年製作の映画)
3.7
一時間半っていうコンパクトな時間に
ノアールな映像的魅力が詰まってます。

まずは、前半の船上での駆け引き。
登場人物が一箇所に集まっては一人離れて、そこで唄い出すファムとおびきだされる主人公のカメラワークに、惹きつけられて。
ここでは上下の動き。

中盤の水族館での逢引。
モノクロで映し出される海洋生物をバックにした横顔の美しさと、後から思い返すと、そこにもある心理戦。
ここでは水平移動。

そして、鏡張りの中での銃撃戦。
今まで幾度となく見たシーンの元ネタに知らずに出くわした驚きもさながら、圧倒的なインパクトを残します。

後半からのサスペンスにも惹きつけられるし、何と言っても見やすい長さだし。今見ても素晴らしい作品でした。

"チャイナタウン"もそうだけれど、
ノアールと中国の組み合わせ、相性がいいのだなあ。
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