一時間半っていうコンパクトな時間に
ノアールな映像的魅力が詰まってます。
まずは、前半の船上での駆け引き。
登場人物が一箇所に集まっては一人離れて、そこで唄い出すファムとおびきだされる主人公のカメラワークに、惹きつけられて。
ここでは上下の動き。
中盤の水族館での逢引。
モノクロで映し出される海洋生物をバックにした横顔の美しさと、後から思い返すと、そこにもある心理戦。
ここでは水平移動。
そして、鏡張りの中での銃撃戦。
今まで幾度となく見たシーンの元ネタに知らずに出くわした驚きもさながら、圧倒的なインパクトを残します。
後半からのサスペンスにも惹きつけられるし、何と言っても見やすい長さだし。今見ても素晴らしい作品でした。
"チャイナタウン"もそうだけれど、
ノアールと中国の組み合わせ、相性がいいのだなあ。